ロト6の内部告発を探して、代わりに5つの検定をかけた話

ロト6の内部告発を探してここへ来た方が読んでいると思います。私も同じことを検索したことがあります。
結論から言うと、信頼できる告発は見つかりませんでした。ただ「見つからない」で終わらせても意味がないので、第1回から第2128回までのデータに自分で5つの検定をかけました。その結果を全部載せます。
ロト6の内部告発として語られているもの
検索して出てくる話は、だいたい次の4つに分かれます。
関係者やその家族しか当たらない。当選者は架空で、当せん金は誰にも渡っていない。抽せん機に細工がある。特定の売り場にだけ当たりを回している。
どれも一度は目にしたことがあると思います。
ただ、これらを裏づける一次資料に私は行き当たりませんでした。掲示板の書き込みか、それを引用した記事か、そのまた引用です。元をたどると誰も名乗っていない。
元の発言者が特定できない話は、告発というより噂だと思います。
そのうえ、4つの噂は互いに噛み合っていません。関係者だけが当たっているなら当選者は実在することになりますし、当選者が架空なら関係者も受け取っていないことになる。同時には成り立たない話が、同じページに並んでいることもよくあります。
無いことは証明できません。だから「告発は存在しない」とは書きません。書けるのは「私が探した範囲では見つからなかった」までです。
告発を探すより、数字を数えるほうが早い
そこで方針を変えました。
誰かの証言を待つのではなく、公表されている数字そのものを疑うやり方です。もし操作があるなら、抽せん結果のどこかに痕跡が残るはずだからです。
使ったのは、みずほ銀行が公表している第1回から第2128回までの当せん番号と口数です。27年ぶんあります。
不正があるとしたら、こういう形で出るはずだと考えました。
特定の数字が出にくくなっている。曜日によって出方が違う。ある時期から傾向が変わる。前回の数字を避けている。ボーナス数字だけ操作されている。
この5つを、それぞれ検定にかけました。
断っておくと、これで不正がないことを証明できるわけではありません。検定でできるのは「もし操作していたら残るはずの痕跡が、あるかないか」を見るところまでです。巧妙にやられていれば見つかりません。
それでも噂を読み比べるよりは、はるかに手応えのある作業でした。
5つの検定にかけた結果
先に全部の結果を出します。統計の検定では、p値が0.05を下回ると「偶然では説明しにくい」と判断します。
検定した5項目
43個それぞれの出現回数に偏りがあるか … p=0.912 偏りなし
月曜と木曜で出方が違うか … p=0.635 差なし
年によって出方が変わっているか(27年ぶん) … p=0.999 差なし
ボーナス数字だけ偏っているか … p=0.471 偏りなし
前回の数字を避けているか … p=0.871 差なし
5つとも、偶然の範囲でした。
年ごとの検定でp=0.999というのは、27年間ずっと同じように出続けているという意味です。抽せん機や運用が途中で変わっていれば、どこかで数字がずれるはずですが、ずれていません。
1等の口数のほうも数えてあります。理論値1.88人に対して実測1.90人、誤差0.02人。こちらは別の記事に書きました。
正直に言うと、私はどこか1つくらい引っかかると思っていました。全部きれいに通ったときは、拍子抜けしたというより、少し気味が悪かったです。
6番が328回、9番が258回。この差70回は何なのか
ただ、生の数字を見ると気になるものが出てきます。
出現回数の上と下
期待される回数 … 297回
最も多い 6番 … 328回
最も少ない 9番 … 258回
差 … 70回
70回も違えば、何かあると思うのが自然だと思います。私も最初はそう思いました。
ところが、これは偶然で説明がつく幅でした。
43個の数字を2,128回引けば、いちばん出た数字といちばん出なかった数字の間には、それなりの開きが生まれます。むしろ全部きっちり297回ずつ出るほうが不自然で、そちらのほうが操作を疑うべき結果です。
検定の答えはp=0.912。偶然でこの程度の差が出る確率が91%という意味です。
ここは私が引っかかったところなので、書いておきます。「よく出る数字」「出ていない数字」として紹介されている表の正体は、たいていこれです。偶然の凸凹を並べ替えて、順位をつけているだけ。
だから6番を選んでも当たりやすくはなりません。次の回に6番が出る確率は、9番と同じです。
ここには落とし穴もあります。「よく出る数字」の表を見て6番を選ぶ人は、他にも大勢いるということです。当たりやすさは変わらないのに、当たったときに分ける人数だけが増える。表を信じた分だけ損をする構造になっています。
不正がないほうが、実は都合が悪い
ここまで書いて、告発を探していた方をがっかりさせたと思います。
ただ、私はこの結果を知ったとき安心しませんでした。むしろ背筋が寒くなりました。
不正がないということは、誰も損を埋めてくれないということでもあるからです。
細工があるなら、暴けば取り返せます。相手がいるので、文句を言う先もある。ところが公正な抽せんで負け続けている場合、責める相手がどこにもいません。
そして数えているうちに、告発よりよほど手痛いものが出てきました。
同じ1等で、これだけ違いました
第1181回。当てた人は2人。1口あたり5億8,918万円。
第230回。当てた人は167人。1口あたり181万円。
どちらもキャリーオーバーなしの1等です。差は325倍。
当てた難しさは同じです。違ったのは、同じ数字を書いた人が何人いたかだけ。
抽せんは公正でした。公正な抽せんの先で、325倍も取り分が変わっていたわけです。こちらのほうが、私には応えました。
しかも167人で分けた回は、特別に運が悪かったわけではありません。誕生日に収まる数字で、間隔もきれいに散っていた。多くの人が良いと思う形をしていたから、167人も同じことを書いただけです。
告発を待っていた間に減っていたのは、当たる確率ではなく取り分のほうでした。
まとめ|ロト6の内部告発を探している人へ
探した結果を正直に書きます。
信頼できる内部告発は見つかりませんでした。出てくるのは元をたどれない書き込みばかりです。
数字のほうも5つ検定にかけて、全部が偶然の範囲でした。43個の出方も、曜日も、27年間の変化も、ボーナス数字も、前回との重なりも。
6番が328回で9番が258回という差はありますが、これは偶然で起きる幅です。よく出る数字の表は、この凸凹を順位にしているだけでした。
疑っていた感覚自体は、間違っていないと思います。ただ相手が違いました。不正ではなく、同じ数字を書いた人です。
当たるかどうかは誰にも動かせません。手が届くのは、当たったときの取り分だけです。
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