宝くじに当選者がいない回は605回ありました。ただし理由は不正ではありません

宝くじに当選者がいないのではないか。そう思って調べている方が読んでいると思います。
ロト6で1等が0人だった回は、2,128回中605回ありました。計算上の予測は21.1%なのに実測は28.4%で、たしかに多すぎます。ただ原因を追ったら、不正ではなく私たちの選び方のほうでした。
1等が0人だった回は605回あります
第1回から第2128回までを数えました。
1等の当選者数
0人 … 605回(28.4%)
1人 … 588回
2人 … 411回
3人 … 227回
6人以上 … 122回
4回に1回以上は、誰も当てていません。
この数字だけを見ると、疑いたくなる気持ちは分かります。誰にも当てさせないほうが胴元は得をする、という筋書きが立つからです。
ただ、それが本当かどうかは計算すれば分かります。1等が0人になる確率は、その回の販売口数から出せるからです。
理論より155回も多いという事実
その回に何口売れたかは、5等の口数から逆算できます。5等の口数を155,400で割ると、1等が理論上は何人出るはずだったかが出ます。
平均すると1.88人。この数字から、0人になる確率を回ごとに計算して平均しました。
0人になる確率
計算上の予測 … 21.1%(449.8回)
実測 … 28.4%(605回)
差 … 155回ぶん多い
多すぎます。
ここで一度、私も操作を疑いました。155回といえば2年ぶん以上です。偶然で片づく数ではありません。
統計の検定にかけると p は0.0000。偶然では説明できないというのが答えでした。
ただ、ここで結論を出すのは早すぎました。
ひとつ注意があります。素朴に「平均1.88人だから0人になる確率は15.2%」と計算すると、実測28.4%との差はもっと大きく見えます。ただ販売口数は回ごとに違うので、回ごとに確率を出して平均するのが正しい。それが21.1%です。
この一手間を省くと、差を2倍近く大きく見積もることになります。
0人が多いのに、大勢当たる回も多い
分布の全体を並べたところで、話が変わりました。
実測と理論のずれ
0人 … 実測605 / 理論450 +155
1人 … 実測588 / 理論609 −21
2人 … 実測411 / 理論464 −53
3人 … 実測227 / 理論280 −53
4人 … 実測108 / 理論156 −48
6人以上 … 実測122 / 理論85 +37
両端が多くて、真ん中が足りません。
操作で当選者を減らしているなら、0人が増えて他は全部減るはずです。ところが6人以上の回も37回ぶん多い。大勢に当てさせている回が、理論より多いのです。
当てさせたくないのに大勢当たる回を作る。これでは筋が通りません。
この形には統計の名前がついていて、過分散といいます。分散を平均で割ると、一様なら1になるはずのところ、ロト6は9.48でした。
原因は人の選び方の偏りでした
過分散が出るのは、当たりの出方が一様でないときです。
ここで大事なのは、一様でないのは抽せんではなく購入のほうだという点です。
もし全員がでたらめに6個を選んでいれば、どの組み合わせにも同じくらいの人数が乗ります。当選番号がどれになっても当選者数は似た数になり、分布はきれいなポアソンになるはずです。
実際には違いました。人は誕生日を使い、連番を避け、数字を散らします。その結果、人がびっしり乗っている組み合わせと、誰も乗っていない組み合わせに分かれる。
抽せん機が空いている組み合わせを引けば0人。混んでいる組み合わせを引けば大勢が当たる。両端が膨らむのは、そのためです。
確かめました。当選番号の形から混み具合を予測するモデルで補正すると、理論とのずれが55%減りました。
混み具合を考慮すると
0人 … 実測605 一様と仮定450 → 混雑考慮500
6人以上 … 実測122 一様と仮定85 → 混雑考慮104
χ² … 104.6 → 47.4
まだ完全には合いませんが、半分以上が説明できました。残りは、私のモデルが人の癖を拾いきれていない分だと思います。
コンサートの座席で考えると分かりやすいと思います。全員が好きな席を選べる会場で、みんなが同じブロックに集まったとします。そこへ抽せんで1ブロックだけ当たりが出る。
空いているブロックが当たれば当選者は0人。混んでいるブロックが当たれば大勢が当たる。席の埋まり方が偏っているほど、当選者数は0か大人数かに割れます。
不正だとすると、説明がつかないこと
念のため、操作説でこの形を説明できないかも考えました。
まず、0人の回を意図的に作るなら、当せん金は繰り越されます。胴元の手元には残りません。次の回に上乗せされて、いずれ誰かが受け取ります。減らす意味がありません。
次に、6人以上の回が37回ぶん多いことの説明がつきません。当てさせたくないという動機と真逆です。
さらに、43個の出現回数、曜日、27年間の変化、ボーナス数字、前回との重なり。5つ検定にかけて、どれも偶然の範囲でした。抽せんそのものに手を入れた形跡はありません。
一方、人の選び方の偏りという説明なら、両端が膨らむことも、繰り越しが起きることも、すべて同じ理屈で説明できます。
私はこちらを取ります。
もし本当に当選者を出さない操作をするなら、繰り越しの上限で止まるはずです。ロト6の1等は6億円が天井なので、そこを超えて積んでも胴元に利益はありません。実際、天井に張りついた回は19回ありました。
まとめ|当選者がいない回について
調べて分かったことをまとめます。
1等が0人だった回は605回、全体の28.4%。計算上の予測21.1%より155回多く、偶然では説明できませんでした。
ただ同時に、6人以上が当たった回も37回ぶん多い。両端が膨らんで真ん中が足りない形でした。当選者を減らす操作では、この形になりません。
原因は購入側の偏りです。人が同じような数字を書くので、混んでいる組み合わせと空いている組み合わせに分かれる。空いているほうを抽せん機が引けば0人になります。
混み具合を考慮すると、ずれの55%が説明できました。
当選者がいない回を作っていたのは、私たち自身の選び方でした。
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